カンボジア北西部のバッタンバン州は1990年代後半まで戦闘の続いた地域であり、カンボジアのなかでも発展の遅れている地域です。
内戦当時サムロン・チェイ村はクメール・ルージュ軍に支配されていた戦闘地で、森が生い茂り、
人々は住んでいない地域でした。
しかし、1998年にクメール・ルージュが政府に投降し、統合された後、その土地の近くの村や地域からやってきた人々が水田を持つようになり、コンポン・プノヴ村から分離してできた新しい村がサムロン・チェイ村となりました。
●小学校建設前 村には小学校がなかったため2008年までは多くの子供たちが学校に通っていませんでした。 学校に通っていた子供たちも、隣村のサンカエ・ヴィア小学校まで約7kmの道のりを歩いて通わなければならず、雨季になると道が非常に悪くなるので通うことはもちろん、市場や病院へいくこともできない陸の孤島となっていました。 |
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●橋の建設前 村の中を通る道にかかる2本の橋が雨季に流されてしまい、自転車では小学校へ通うことが難しい状況でした。 小学校の問題は2名の先生たちが村に通うことができなくなり、授業ができなくなったり、道を歩くにも時間がかかりました。 |
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●2008年10月から授業開始
サムロン・チェイ村周辺の就学適齢児童へ初等教育の機会を提供し識字率の向上と
貧困を削減するため、穂高小学校の建設がはじまりました。
そして、教室の小学校校舎の建設、各教室への黒板・教員用の机・椅子・学習机の
提供。トイレ2基の建設をし、2008年9月には開校式を行うことができました。
2008年10月から穂高小学校の授業が開始。
2008-2009年度は、合計149名(女の子69名)の生徒が勉強し、
その後2012-2013年度には生徒数は175名(女の子88名)となっています。
現在2名の先生がこの学校で教えており、授業は午前午後の2回ずつ行っています。
●2009年6月~7月中旬 雨季の雨がひどい時期に、隣村から穂高小学校へ通う子どもは登校が難しい場合 があるため、サムロン・チェイ村へ主要幹線道路からアクセスする道にかかる2本 の橋を建設することになりました。 橋を建設することにより、小学校への登校がしやすくなると同時に、市場や病院の アクセスが容易になること。 また、橋ができるまでは丸太や板で造った橋だったた め、車でのアクセスができず、農産物を街まで運ぶことができなかったのですが、 コンクリート製の橋を2本建設することで村人たちの収入を向上させる助力もでき ました。 |
●2013年8月 校舎にある2基のトイレは水洗式ですが、水がないためにすぐに汚くなり、子供たち が使用できない状態にありました。そのため、雨水を貯める貯水タンクを設置し、校 舎屋根の雨桶に雨水をため、トイレの中に水道を引くことで、蛇口をひねれば水が 出るようにしました。 また、日中40度近くなる暑い中、衛生的な飲み水を確保するため、貯水タンクに貯め た水を濾過器に通すようにもしました。 |
●2013年
2013年5月には小学校の1室に図書室を設置しました。クメール語の絵本や歴史、伝記、辞書などの本を購入し、本棚とともに設置しました。
カンボジアの農村には本屋がなく、小学校にも図書館がないため、これまで穂高小学校の子供たちは本を読んだことがありませんでした。そのため、図書室を設置して以降、
子供たちにとって絵本を読むことが何よりの楽しみとなっています。先生も絵本から子供たちが知識や教訓、モラルといったことも身に着けてほしいと考えています。
子供達の教育環境を整備し、未来を担う子供たちを支えていくことは、周辺住民の今後の生活を支えていくことになると考えられ、これからも穂高住販はカンボジアの人々の生活を支援していきたいと考えています。
●2018年
2008年に穂高小学校を開校して約10年。児童たちは積極的に授業に参加し、たくさんの生徒が中学校に進学しています。
2018年1月の授業風景が届きましたので、ぜひご覧ください。